飽食の時代になって久しいですが
今の時代、美味しいものがたくさんありますねー。
いろんな国の料理が食べられますし、そんなに値段高くなくても、めちゃめちゃおいしいものが食べられます。
いい時代だと思います。
ふつうに暮らしているとほんとそう思います。
そして、世間に流されます(笑
でも、今の現状は本当にいいことなのかという疑問は常に持っています。
人はなぜ食べる?
当たり前のことですけど、生きていくためですよね。
生きていくためには栄養が必要で、それを摂取するために食事をするわけで、だとしたら栄養のないものを食べることに何の意味がある?
今世の中に溢れている美味しい食べ物にどれほどの栄養価がある?
そう考えてしまいます。
まぁ、人は腹が減ったから食べる。そしてできればおいしいものが食べたい、とそう思います。
栄養価が高いからあそこの店に食べに行くっていう人は、ほとんどいないでしょう。
おいしいかどうかで判断します。
実際、管理栄養士が作った食事は、栄養バランスを考えて作ってますから良質の食事と言えますが、人々がおいしい、おいしいと言って好んで食べるものではありません。病院食がそうですね。(もちろん普通に美味しいものはありますけど、名店レベルに美味しいという意味で)
体にいい食事より、体に悪い食事のほうが美味しく、好まれるという悲しい事実です(笑
料理って
料理人はよりおいしい料理を作るために日々、努力していますけど、栄養の視点ではあまり考えてないのが非常に残念に思います。
原料が何なのかわからないくらい素材にあれこれ手を加えて、綺麗に盛りつけれた料理とか見ると、すごく美味しそうだとは思いますが、どれだけ素材の栄養が損なわれているのかと疑問に思ってしまいます。
料理では「食材の旨みを引き出す」ことは大事ですが、「食材の栄養を引き出す」ことは二の次になっています。
自分の考えでは、「食材の栄養を引き出す」ことが前提で、その上でどこまで味を追求できるかが料理人の腕だと思っています。
この食材は水溶性ビタミンが豊富だけど、水に流されやすいから、あえてスープにして汁ごと摂取するのがベスト。とか。
これは、この切り方で断面を広くとって、油で炒めた方が栄養の吸収率がアップする。とか。
とことん食材の栄養を研究した上で、ベストな調理法、ベストな食材の組み合わせを考える。
そして、美味しい。
これが理想です。
管理栄養士の作る食事(栄養の追求)と料理人の作る食事(味の追求)は基本的に方向性が違っているのが現状ですが、この栄養と味を高いレベルで融合した料理こそが、真の料理人が追い求めるものだと思っています。
ただ、世間の「食事」に対する認識が変わらなければ、「真の料理人」は現れないとも思っています。
なぜなら、儲からないから(笑
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